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歯周病で歯が抜ける?

健康な歯は、見えている部分の1.5倍ほどの長さの歯根をもっています。そして、この歯根は歯槽骨というあごの骨の突起の中に埋まっています。

歯根と歯槽骨の間には0.2ミリほどのすき間がありますが、歯根膜という繊維でしっかりとつながっています。そのため、歯は少々の力ではびくとも動きませんし、堅い食べ物をバリバリとかみ砕けるのです。

このように歯を支えている組織を歯周組織といいます。歯が十分に機能するためには、大変重要な組織です。

歯周病(歯槽膿漏)にかかると、歯を支える歯周組織が破壊されていきます。歯周組織の破壊は、歯と歯茎との境目から始まり、歯根に沿って次第に深く、先端の方へ進んでいきます。破壊がある程度以上に進むと、歯はその支えを失って、かむ力に耐えられなくなり、グラグラと動き出します。

歯が動くほどになると、歯周病はかなり進行しています。この状態で治療を受けたとしても、破壊を免れた残りの歯周組織だけで歯を支えることになり、もう健康な時のように堅いものを自由にかみ砕くことはできません。歯周組織の破壊された部分の歯根は露出し、歯が抜け出てきたように見えます。また、隣り合っている歯と歯の間が空いて、美しさも損なわれます。

十分にかめるようにするため、数本の歯を連結するといった治療などを施すこともあります。しかし、このような状態を長期にわたって維持していくには、大変な努力が必要です。少しでも油断すれば、歯周病はたちまち再発し、努力して残してきた歯周組織の破壊がさらに進行します。そして、ついには歯が抜けてしまうのです。
 初期の歯周病は痛みがなく、気が付かないのが特徴です。歯科医の診察を受け、大切な歯周組織の破壊が進行しないうちに発見し、治療することが重要です。
 さてここで、一度破壊された歯周組織の再生という『夢の治療』が、近い将来には実現しそうだということをお知らせしておきましょう。しかし、この治療法でも歯が失われては治せません。やはり、早期発見、早期治療が何より大切です。

歯周病
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