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歯周病は遺伝?

歯周病(歯槽膿漏)は遺伝による病気ではありません。特定の嫌気性グラム陰性桿菌群が感染して増殖し、それに対する人間の抵抗力のバランスに破綻が生じて発生、進行する「感染症」です。最近の研究ではプロフィロモナス・ジンジバーリス菌、アクチノバチラス・アクチノマイセコミタンス菌などやスピロヘータの名前が挙がっています。虫歯菌の代表選手ストレプトコッカス・ミュータンス菌は母親からその子供に感染することが解明されていますが、歯周病菌の感染経路はまだよく分かっていません。しかし、感染症ですから、食生活や生活習慣が似通っている親子の場合、同じような経過をとることも考えられます。

歯周病の治療を行うに当たって、歯科医は患者さんにプラーク(歯垢、細菌の塊)が残らないような徹底したブラッシングを求めます。これは歯肉の縁より上の細菌を取り去ることを目的としています。

歯石を除去するのは、歯肉と歯の間の溝(歯肉溝、ポケット)の中の歯周病原菌を除去していることにほかなりません。しかし、いったん除去しても、歯周病原菌は50~90日で舞い戻ってくるといわれています。従って、そのころにポケットの中をきれいに掃除する必要があります。これを「プロフェッショナル・トゥース・クリーニング」といいますが、一定の期間をおいてこのプロフェッショナル・トゥース・クリーニングを繰り返すことが歯周病治療の効果を持続させるために必要なのです。もちろん、この間、プラークが残らないようにブラッシングが必要不可欠なのは言うまでもありません。
 より健康な歯肉をより長く維持するためには、一度歯石を取り去れば治療は終わった、と思わないで、一定の期間をおいて歯科医を訪ね、ブラッシングはよくできているか、歯石が付いていないかを調べてもらい、順調なら『プロフェッショナル・トゥース・クリーニング』を、問題になるところがあれば『再治療』を受けることをお勧めします。

歯周病菌
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