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「かむ」ことの大切さ

最近あごが小さく逆三角形の顔の若者を見かけますがこのような顔の傾向は、東大人類学教室の鈴木尚先生が徳川将軍家の人々の骨をもとに詳細に調査されています。将軍家の人々の顔は、同時代の庶民と比べると、食べ物をかみくだく器官としての上下の顎骨は小さく、かむ力を弱くし、さらに歯並びも不ぞろいで、歯の擦り減りはわずかだったそうです。結果、面長で鼻が高く、顎が小さい、いわゆる現在の逆三角形の顔だったといわれています。

一般に、頭の大きさは、遺伝子的要素が強いのですが、上下の顎骨は環境的原因によって影響されます。従って、柔らかくて栄養価に富んだ現在の食品が、徳川家の人々と同様にかむ力を弱め、顎を小さくします。さらに歯が大きくなり、歯の並びが悪くなってしまいます。
 現在、スラッとした逆三角形の顔が目立ちますが、先にお話ししたように歯並びが悪くなりやすく、そうなると歯周病や顎の病気を引き起こすなど、歯の見地からいうとおおいに問題があるのです。

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