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入れ歯を吸着させる薬

よくテレビなどで宣伝している入れ歯を吸着させる薬は原則的に使う必要はありません。いろんな製品がありますが、基本的にはのりでくっつけるようなものと思ってください。

口の中の粘膜はプラスチックや金属など固い材料で支えられているのが粘膜の健康にも良いのです。長期間ブヨブヨののりを塗って粘膜をブヨブヨ状態にしておくと、粘膜の健康な呼吸を邪魔し、結果的にあごの状態を悪くします。また、ブヨブヨの薬は、ばい菌などの温床になりやすく、清潔面からもよくありません。

口の中はとても複雑で、だ液の出口や神経の感じやすい部分、筋などがいっぱいあります。それだけでも大学の研究室がたくさんの分厚い本を出版するほどです。歯科医師は適当に型をとっているように見えて、それらを十分考えながら入れ歯を作っています。我流ではだ液が出にくくなったり、神経を圧迫したり良い結果にはなりません。もし入れ歯が合わなくなっても、多くの場合は内面にプラスチック材料などで合わせる(リベース)や、かみ合わせの調整で改善します。

ただ、臨時的に使ってもらうのはかまいません。たとえば、今日はカラオケの発表会で入れ歯をしっかりくっつけていたい、とか、近日中に歯医者にいくが、それまで臨時にくっつけておこう、などです。残念ながらまれに、あごの骨がほとんどなくなってる気の毒な方もおられます。そのような場合は、使わざるを得ないでしょう。

インターネットをされる方は「義歯安定剤」で検索してみてください。もっと詳細な情報が得られます。

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