top of page

指吸いのひどい娘

指吸い自体は、子どものある種、反射的な反応です。母親のおなかにいるとき、胎児は羊水の中におり、それが濁ってきたとき、近くにある指を口に入れるといいます。つまり、指吸い反射が既に起こっているのです。しかし生後、再び欲求のために指吸いを始めたら、次のような有害なことが起こる可能性があります。

有害なこととして、●前歯が出っ歯状になる、●上顎がVの字状になり狭くなる、●上顎が大きくくぼむ、●口の周りの筋肉が低下する、●唇が閉まらない(開口)、口呼吸をする、●アデノイド(扁桃腺がはれて記憶が悪くなる)や異常嚥下癖(飲み込むときに舌が異常な反射をする)、●ら行やさ行の発音障害になる、などが挙げられます。これらは後に不正咬合、さらには目まいや耳鳴り、肩凝りの原因でもある顎関節症に移行していくことがあるので、注意が必要です。
 しかし、このようなことは母乳で育った子どもにはあまりみられません。それは母乳を吸っているとき、実際飲んでいるのはわずか5分ぐらいで、後はおしゃぶりの時間だからです。おしゃぶりの際に生じたエネルギーは、顎や歯の発育、ひいては全身の発育に影響しているのです。ほ乳瓶で育てた子どもは、普通の食事になってもかもうとはしません。ほ乳瓶では「吸う」母乳では「かむ」という表現が適当なようです。だからできるだけ歯の生え始めは、母乳によるおしゃぶりで正しいかみ合わせの仕方を覚えさせるのがいいでしょう。

指吸い
bottom of page